2014年1月1日星期三

【田中秀道の目】米ツアーでは上位に入るのと勝つのは別次元




2013年10月28日12時52分
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遼、松山の活躍は?田中秀道の意見(Photo by Scott HalleranGetty Images)






 米ツアーで2年目シーズンに入った石川遼と、今季から米ツアーメンバーとなった松山英樹。この2人は米ツアーの強豪たちにまじって今シーズンどこまで活躍できるのか。自身も米ツアーで活躍した経験を持つ田中秀道に意見を聞いた。


 2人とも開幕からいいスタートを切ったと思います。2人の今季の米ツアーへの入り方は対照的です。高い位置からスタートして、どん底を味わってはい上がってきた石川と、どうなるか分からないでデビューした松山で、状況はまったく違います。

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 松山はメジャーでトップ10に入り、日本でも3勝と技術的にもメンタル的にも高いところで米ツアーに「行くぞ」という気持ちで入りました。ゲームに関しては問題ないと思っています。こういうときに陥りやすいのが「やりたくなる症候群」です。世界最高峰の場でプレーすることで喜びも悔しさもすぐ次にぶつけていきたくなる。

 レベルは違いますが、私も同じ気持ちでした。試合に出たいという気持ちを抑えられず、毎週出て体を壊す結果になりました。そういうときに、一度深呼吸を入れさせるような人を周りに置くことが大事です。自分は行きたいばっかりになっているので、スケジュール面で周囲がどう抑えられるかが、ポイントになりそうです。日本ツアーで実績を残したときは、たぶん休みながらやっていたでしょう。米国に行ってもそこは変わらないはずです。

 石川は昨シーズンは「スイングを変える」「クラブを替える」と2つのテーマを持ってツアーに臨んでいました。米ツアーでは自分の力を出し切ってやっと戦える。でも、2つのテーマを抱えていたので、戦いの方向がコースにではなく、自分に向かっていたと思います。いい結果を残せるとは思えませんでした。

 石川の場合、私と同様に体格の差が気になると思います。周囲を見ているうちに「もっと強く振りたい」「もっと早く振りたい」となってしまう。レベルの高さ、コースの難しさ、長さに「もっとクオリティを上げたい」と思ってしまう。それが空回りして、負の連鎖になる。

 ただシード権を落として、入れ替え戦に回ったことで開き直っていい結果を出して戻ってきた。米ツアーに行って早いうちにそうした経験が出来たことはよかったと思います。いままで右肩上がりでどんどんやろうとしている石川のブレーキ役がいなかった。結果が出ず、それを乗り越えたので、一皮向けたと思います。

 しかし、この2人が今季、優勝できるかというと、ちょっと考えてしまいます。開幕直後の今は上位陣が出場していないというフィールドの違いがあります。ただ、そういうところで優勝争いをしていくことが、優勝につながってくるのは確かです。丸山(茂樹)さんも準備期間がありました。2位になった、3位になったで、次は優勝というのは成り立たない世界です。上位に入るのと勝つのは別次元の問題。優勝争いの回数を増やすことがまず第一です。

 松山は馬力があるけど、日本でのように突出している訳ではありません。石川には前述したようにパワーでハンディがあることは確かです。考え方としては、大きなゴルフでパワー勝負を挑むのではなく、勝負の場所を変えることです。たとえば、フェアウェイキープ率を5%上げるとか、パットの数字を上げるとか、ラフの打ち方を徹底的に習得するとか。アプローチ、パターでリズムをつくるのは当然ですが、米ツアーでアプローチが下手な選手はまずいません。自分のどこを伸ばすかを間違えなければ、優勝する日が来るはずです。

田中秀道
91年にプロ入り。95年フィリップモリス選手権でツアー初優勝。166センチ、68キロの小柄な体ながら、体をフルに使ったスイングで300ヤードを飛ばし人気を得た。2001年に米ツアー最終予選を突破して02年から5年間、米ツアーに挑戦した。04年BCオープン、05年クライスラー選手権で3位が最高。現在は日本ツアー復帰を目指す一方、テレビ解説なども行っている。

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